Apple TV のオーディオストリーミング機能の問題点が改善されててちょっと感動した

数日前に Apple TV を tvOS 14 にアップグレードした。Public Beta 版だ。

先日の WWDC や世間では tvOS 14 についてはあまり言及されていなかったので大した進化はないと思っていた。思っていたというか、実際にそこまで劇的な進化は本当になかったのだが、細かい修正として、個人的に感動したものがあった。

それは、オーディオストリーミングだ。iPhone や Mac で聴いている音声を Apple TV に転送するという機能だ。iPhone や Mac の映像を Apple TV に転送してテレビに出力することができるが、実は映像ではなく、音声だけを転送することもできる。

これを利用して、iPhone で流す音楽を WH-1000XM3 で聴くことができる。WH-1000XM3 はテレビに接続されている Bluetooth トランスミッターと接続していて、iPhone とはペアリングしていない。他のデバイスとペアリングすると、電源を入れたときにどっちと接続されるかわからないし、切り替えるのも面倒なのだ。だから、そういった手間を省くために、ヘッドフォンやイヤフォンは一つのデバイスにしかペアリングしないようにしている。

そうなると、曲を聴きたいときに、WH-1000XM3 を外して、AirPods Pro を耳につけて iPhone で聴くか、Apple TV や Fire TV で YouTube を開いて音楽の動画を再生する必要があるが、もっと手軽に音楽だけを聴きたいというときもある。そういうときに重宝するのが Apple TV のオーディオストリーミングだ。

しかし、今までのオーディオストリーミングには不満点があった。それはストリーミング中でもスリープモードに入ってしまうという問題だ。

たとえば 15 分無操作でスリープにする設定にしていたとする。その状態でオーディオストリーミングをすると、音楽を聴いて 15 分経つと勝手にスリープに入って音楽が切れてしまっていた。なので、スリープに入るまでの時間を 5 時間に設定していたのだが、そうなると無操作(オーディオストリーミングもしていないとき)でも 5 時間はずっとテレビの画面が点きっぱなしになってしまう。

最近は YouTube でバイノーラル(ASMR)を聴きながら寝落ちすることがほとんどなので、その動画が再生され終わったあとにはスリープになって画面が消えてほしいのだが、5 時間は消えてくれないという問題が発生する。まあ別に画面が眩しいわけではない(目にタオルかぶせて光を抑えているから)ので良いのかもしれないが、できればすぐにスリープになってほしいと思っていた。

それが、tvOS 14 にアップグレードしたことで解決したのだ。オーディオストリーミング中は YouTube を再生しているときなどと同じようにスリープすることはなくなった。なので、スリープに入る時間を 15 分にすることができるようになったのだ。

少し前までは Fire TV で YouTube を見ていて、最近 Apple TV を使うようになった。Fire TV でも無操作が続くとスリープに入るのだが、Fire TV の場合は画面が出力されない(真っ暗になる)が、テレビの電源が切れるわけではない。一方で Apple TV はスリープになるとテレビの電源も一緒にオフにしてくれる。

以前はこの仕様がいまいちだと思っていたが、今はむしろこっちのほうが良いかもなと思うようになった。これだと寝落ちしたときにテレビの電源も切れてくれるので便利だ。

あと、これは改善されたものなのかはわからないが、今までは音声だけを Apple TV に転送するとかなり遅延が発生していた。iPhone で再生・停止ボタンをタップすると、2 〜 3 秒遅れて音声の再生・停止が反映される。それがすぐに反映されるようになった。

まあかなり地味な改善点だが、個人的にはよく使う機能だったのでこれは素晴らしい改善点だと思う。