Netflix が月額 350 円で利用できる裏技はギフトカードしかなさそう?
※ この記事は 2021 年 5 月現在のものです。Netflix の料金やプラン、最安値の国は今後変更になる可能性があります。
Netflix の料金を安くする裏技
今まで Netflix を利用したことはないが、ふとしたきっかけで Netflix を契約してみようと思った。
Netflix には、ベーシック、スタンダード、プレミアムの 3 つの料金プランがあるが、一番安いベーシックプランでも、月額 990 円かかる。
ただし、Netflix には月額料金を安くする裏技があることを事前に知っていた。それは最安値の国で契約することだ。
Netflix は国により月額料金が異なる。日本ではベーシックプランでも 990 円かかるが、他の国だとこれより安かったり高かったりする。
2021 年 5 月現在、最も Netflix の料金が安い国はトルコだと言われている。先ほどの「プランと料金 (日本)」のページで国をトルコ (Turkey) にするとトルコでの料金を見ることができる。
2021 年 5 月現在、トルコでのベーシックプランは 26.99 TRY となっている。TRY はトルコで使われている通貨「トルコリラ」のことで、26.99 トルコリラは日本円で 346.07 円となっている。
つまり、日本で契約すると 990 円のところ、トルコで契約すると約 350 円で利用することができるというわけだ。
しかし、日本から Netflix にアクセスして契約しようとすると、日本の料金で契約することになってしまう。そこで VPN を使う。
Netflix は、利用者の国を IP アドレスで判定しているようだ。そのため、VPN でトルコサーバを選択し、トルコの IP アドレスで Netflix にアクセスすることで、トルコから Netflix を利用することができる。そのまま契約すればトルコの料金で決済ができるというわけだ。
提携カードは Netflix 側で対策されている
ところが、一つ問題がある。この方法で、本来住んでいる国とは異なる国 (料金の安い国) から契約する利用者が増えたためか、Netflix 側が 2019 年に対策をしたようだ。
VPN で IP アドレスを海外のものに偽装したとしても、決済の際に日本で発行されたクレジットカードを登録すると弾かれてしまうらしい。
銀行やクレジットカード会社が発行したカードは提携カードと呼ばれ、提携カードのカード番号には国を識別する番号が含まれている。たとえば日本の銀行 (三菱 UFJ 銀行や三井住友銀行) や日本のクレジットカード会社が発行したクレジットカードは、カード番号を見ることで日本のクレジットカードであることがわかるようになっている。
現在の Netflix ではクレジットカードで決済を行う際にそのカードが発行された国もチェックしているらしい。トルコからのアクセスなのに、決済に使用するクレジットカードが日本のクレジットカードだった場合は弾くようになっているようだ。筆者が実際に試したわけではないが、ネットの記事をいくつか調べる限りでは、どうやら日本のクレジットカードではダメらしい。
プロパーカードなら海外からの決済でも利用可能
しかし、さらなる裏技というものがある。それは提携カードではなく国際規格のプロパーカードを利用するというものだ。
先ほど説明した提携カードは、カードブランド (VISA や Mastercard など) が発行しているものではなく、銀行やクレジットカード会社が発行しているものだから、カード番号で国を識別できるようになっている。
しかし、銀行やクレジットカード会社が発行するものではなく、カードブランド自身が発行するクレジットカードというものが存在する。それがプロパーカードと呼ばれるクレジットカードだ。
プロパーカードを発行しているカードブランドには、American Express (アメックス)、Diners (ダイナースクラブ)、JCB などがある。VISA と Mastercard はプロパーカードを発行していない。
つまり、American Express 社が発行している アメリカン・エキスプレス・カード や、Diners 社が発行している ダイナースクラブカード などがあるというわけだ。
これらのカードは国際発行のため、カード番号で国が特定されることがない。ということは、VPN で別の国から Netflix にアクセスした際の決済に利用できるというわけだ。
年会費が高い問題
プロパーカードならたしかに最安値の国 (現在はトルコ) で決済を行うことができる。ただ問題なのはクレジットカードの年会費のほうだ。
American Express の場合、カードラインナップ を見てみると、年会費が一番安いのは ANA アメリカン・エキスプレス・カード の 7,700 円だ。Diners の場合は一番安くても 24,200 円もかかる。
せっかく Netflix を割安で契約できたとしても、その契約に必要なクレジットカードの年会費が高いとなると本末転倒だ。
日本で契約した場合と、現在最安値のトルコで契約した場合の差額を計算すると、以下のようになる。
- ベーシックプラン: (990 円 - 346 円) × 12 ヶ月 = 7,728 円
- スタンダードプラン: (1,490 円 - 524 円) × 12 ヶ月 = 11,592 円
- プレミアムプラン: (1,980 円 - 704 円) × 12 ヶ月 = 15,312 円
※ 2021 年 5 月現在の為替レートで計算
ベーシックプランの場合、日本料金よりもトルコ料金のほうが、年間で 7,728 円もお得になるが、American Express の年会費が最低でも 7,700 円かかるので、実質 28 円しかお得にならない。最も差額が大きいプレミアムプランの場合は 15,312 円 - 7,700 円で、年間 7,612 円お得になるのでアリかもしれない。
トルコ料金 (月額) に American Express の年会費の 1/12 (月額換算) の値段を足したものは以下のようになる。
- ベーシックプラン: 346 円 + 642 円 = 988 円 (2 円お得)
- スタンダードプラン: 524 円 + 642 円 = 1,166 円 (324 円お得)
- プレミアムプラン: 704 円 + 642 円 = 1,346 円 (634 円お得)
どのプランも日本料金を支払うよりは安くなっているが、ベーシックプランは月額 2 円分しかお得にならないので微妙だ。すでにプロパーカードを持っているなら良いが、持っていない場合は Netflix のためだけにクレジットカードを新たに申し込むことになるし、途中で Netflix を見なくなって解約するとしたら、年会費の分だけ損をする可能性すらある。
今後ずっと Netflix を見続ける (解約しない) という意志があるなら構わないが、見なくなって解約することを考えるとむしろ損する可能性がありリスキーかもしれない。Netflix の契約と解約は簡単だが、クレジットカードの契約と解約はそれほど気軽にできるものではない。
トルコで利用可能なカードブランド
実は先の説明では、JCB について触れていなかった。JCB のプロパーカードの年会費はどうなのか調べてみた。
すると、JCB のプロパーカードには年会費無料のクレジットカードが存在することがわかった。
JCB CARD W / JCB CARD W plus L
これならクレジットカードの年会費のデメリットを受けることなく、かつ最安値で Netflix を契約できるのではないかと思った。
しかし、肝心なことを忘れていた。なんとなく想像がつくかもしれないが、トルコの Netflix では JCB カードを使うことができないのだ。
対応しているクレジットカードのブランドを見てみると、日本では JCB カードが使える。
しかし、トルコでは JCB カードは使うことができないのだ。
トルコの Netflix で利用可能なクレジットカードのブランドは以下の 5 つ。
- VISA
- MasterCard
- American Express
- Maestro
- Troy credit cards
このうち VISA、MasterCard、Maestro にはプロパーカードが存在しない。
Troy credit cards というのがよくわからなかったので調べてみると、トルコでのみ使われている決済方法のようだ。デビットカード、クレジットカード、プリペイド式デビットカードの 3 種類から選べるようだ。
これがプロパーカードなのかどうかはわからない、というかトルコでしか利用されていないのなら問題ないはずだが、このカードを手に入れるためにはおそらくトルコ国内に住んでいないといけない気がする。ネットで完結するものとは異なり、カードは実際に受け取りが必要だからだ。
となると残るカードブランドは American Express のみとなる。だから先ほど JCB に関する比較を行わなかった。
ギフトカードしかない?
残る選択肢はギフトカードのみとなる。クレジットカード以外の支払い方法として、Netflix のギフトカードがある。
ただし、これも日本で発行されたギフトカードではなく、トルコで発行されたギフトカードでないといけないらしい。
Netflixを海外のVPNに繋いで安く契約したいと思っているのですが
トルコで発行されたギフトカードは以下のサイトで購入できるらしい。
これなら American Express の年会費を払うことなく本当の意味で Netflix を最安値で利用することができる。
ただし、あくまでギフトカードなので、クレジットカードのように自動更新を行うことができない。残高がなくなったらそのたびにトルコのギフトカードを購入する必要がある。
毎度購入するのがめんどくさくなり、勢い余って大量に購入してしまうと、その後 Netflix を見なくなったり、トルコの料金が高騰したりした場合に損することになってしまう。ギフトカードは日本円 (現金) に戻すことができない点にも注意して購入する必要がある。
対策前なら引き続き利用可能
Netflix がクレジットカードの発行国で弾く対策を行う前に最安値の国での契約を開始していた場合は、対策後も日本のクレジットカードで支払いが可能なようだ。
ただしクレジットカードには有効期限があるので、Netflix に登録しているクレジットカードの有効期限が切れた場合の更新時に日本のクレジットカードが使えるのかどうかはわからない。
とはいえ、クレジットカードの有効期限は 5 年以上あるものが一般的なので、Netflix が対策を講じる前にこの裏技を実施できた人はラッキーといえるだろう。
まとめ
ということで、ざっくりまとめると以下の通り。
- クレジットカードでトルコから契約する場合は American Express のプロパーカードが必要になる
- ただし年会費が最低でも 7,700 円かかる
- ギフトカードでトルコから契約する場合はトルコで発行されているギフトカードを購入する必要がある
- クレジットカードのように自動更新できないことや日本円に戻すことができない点に注意
- Netflix が対策を講じる前に実施していた場合は日本のクレジットカードで裏技が利用可能
- ただしそのクレジットカードの有効期限が切れたあとにどうなるかは不明
ちなみにまだ契約していないのだが、そもそも Netflix を利用したいかどうかをもう一度考えてみることにする。
契約するとしたら、最安値を狙ってギフトカードにしようかなと思っている。ずっと契約を続けるかどうかわからない (見なくなったら解約するかもしれない) ので、それだけのために年会費 7,700 円もするクレジットカードを申し込むのはリスキーかなと思うので。