マインドフルネスと瞑想に関するガイドライン
正しく実践すれば鬱や不安性への適切な対策が取れるようになる。
マインドフルネス全般における重要な心構え
- 手法やテクニックにこだわらないこと
- 瞑想はあくまでマインドフルネスの感覚をつかむための手段の一つであって、それ自体が鬱病や不安性を解決する魔法のテクニックではない
- 瞑想のときだけマインドフルになっていても、それ以外の日常生活でマインドレスになっていたら意味がない
- 極端なことを言えばいっさい瞑想をしなくてもマインドフルネスは向上するし、逆に言えば「自己観察」を考え方をつかまずに瞑想だけを行ってもただ座っているだけになってしまう
- 瞑想のトレーニングで得たマインドフルネスの感覚を日常生活に取り入れて常に意識することが重要
- 瞑想をすることや瞑想している時間よりも、日常生活をマインドフルに過ごしているかどうかを重視すること
- なにかネガティブな感情が沸き起こったときの感情を自覚しているか
- 今の状況に集中できているか
- 常に自覚的に作業を行えているか
MAAS (Mindful Attention Awareness Scale)
自分の今のマインドフルネスレベルを測定するための手法
詳細を表示
手順
- 以下の「15 の質問」に 1 〜 6 点で回答する
- 1 ……「ほとんどいつもそうである」
- 6 ……「ほとんどない」
- 各設問の点数を合計して平均点を出す
- 以下の「得点の目安」を参考に現在の自分のマインドフルネスレベルを診断する
15 の質問
- その時の感情に、後になって気づくことがある
- 不注意や考え事が原因で物を壊したりこぼしたりすることがある
- 今の状況に集中できないと思うことがある
- 過程を重視せず、目標にたどり着くために急ぎがちである
- 本当に気になるまで、身体的な緊張や身体の違和感に気づかないことがある
- 初めて聞く人の名前をすぐに忘れがちである
- 自分のしていることをそれほど意識せず、自動的に何かをしているように感じることがある
- きちんと注意を払わずに、急いで活動しがちである
- 達成したいゴールのほうに目が向き、今そのためにしていることには意識が向かなくなることがある
- 自分のしていることを意識せずに、機械的に仕事や作業をしている
- 何かをしながらも、同時に他人の会話に聞き耳を立てていることがある
- 無意識のうちにどこかに向かっていて、後から考えるとどうやってそこに着いたか思い出せないことがある
- 気がつくと未来や過去のことで頭がいっぱいになっている
- 気がつくと注意を払わずに物事に取り組んでいる
- 気づいたら間食をしていることがある
得点の目安
| 得点 | 診断結果 |
|---|---|
| 3.84 ポイント前後 | 平均的なマインドフルネス度 |
| 3.95 ポイント前後 | 平均より上のマインドフルネス度 |
| 4.38 ポイント前後 | 平均よりかなり上のマインドフルネス度。瞑想の上級者は、だいたいこのあたりの数字に落ち着くケースが多いよう |
参考
タイガータスク
自己観察の感覚を理解するためのワーク
詳細を表示
手順
- リラックスして目を閉じる
- 目の前に大きな虎のイメージを浮かべる
- 虎のイメージを変化させようとせず、ただ観察する
ポイント
意識して虎を動かしたり角度を変えたりしないこと
タスクのポイントは、意識して虎を動かしたり角度を変えたりしないことです。実際に試してみるとわかりますが、イメージをただ見つめているうちに、勝手に虎がそのへんをうろつき始め、やがて消え失せていきます(少しも動かないこともあります)。慣れないうちは、虎の頭をなでたくなったり、かわいい鳴き声を出させてみたりと、さまざまなコントロールをしたくなるでしょう。しかし、ここでぐっとこらえて、目の前の虎をただ観察するのが最大のポイント。何度かくり返すうちに、「勝手に動き出すイメージを見つめる感覚」がつかめるようになります。これが、いわゆる「マインドフルネス」の感覚と同じものです。このタスクでいう「虎」は、あなたの心に生まれる恐怖や不安の象徴です。もし今後の暮らしで自分のなかにネガティブな思考や感情が生まれたら、「タイガータスク」で虎を見つめたときの感覚を思い出してください。すると、あなたの感情や思考は虎と同じように勝手に目の前を動き回り、それ以上はなにもしません。さらに観察を続ければ、ネガティブな感情と思考は勝手に消えていくでしょう。この時点で、あなたはネガティブの波によってダメージを受けずに済んだことになります。これがマインドフルネスを現実に活かす際の基本です。
タイガータスクを1日に5分ずつ続けて「自分の思考やイメージを見つめる感覚」を理解してください。2週間も続ければ、「自己観察」の感覚がつかめていくはずです。
参考
最高の体調 p.234, p.241
作務
TBD
マインドフルイーティング
食事に集中する瞑想法
詳細を表示
効果
ACT やメタ認知療法などで実際に不安障害の治療に使われるほど効果は高い。
手順(簡易版)
- テレビやスマホを見ながらの食事を止め止め、口の中に入れた食品や液体を味わう作業だけに集中する
- 単にいつもよりゆっくり味わいながら食べるだけでもマインドフルネスの感覚は成長する
- いつもより 2 倍の時間をかけて味わうようにする
- 「ひとくちごとに 10 秒かける」と意識するだけでも構わない
手順(正式版)
臨床現場で行われる正式な作法なので効果は高いが、毎食意識するのは大変なので余裕があるときのみで良い。
- 触覚・視覚・嗅覚で味わう
- 食品に指で触れて硬さや柔らかさを確かめる(触れない食品の場合は表面をじっくりと眺めて素材のテクスチャーをチェック)
- 続けて鼻を近づけて匂いも楽しんでみる
- これらの作業を最低でも 5 分は続ける
- 自分の感覚を観察する
- 食品の見た目や香りによって自分のなかにどのような変化が起きたかを観察する(ツバがわいたり、空腹感が増したり、過去の記憶がよみがえったりなど)
- 上記のさまざまな感覚の変化を 5 分かけて観察していく
- 食品を口に入れる
- 食品を口に入れる
- あわてて食品を噛まず、まずは舌の上で転がしながら触感を調べ、続いて再び自分の感覚にどんな変化が起きたかを観察する
- 目を閉じて口のなかの感覚だけに意識を向けるとやりやすいかもしれない
- 噛んで飲み込む
- 食品を噛んで飲み込む
- 食品の味わいは当然のこと、歯や喉の感覚の変化も観察し続ける
- すべてのステップを終えるまではだいたい 10 〜 15 分ほどかかる
参考
呼吸瞑想
呼吸に意識を向ける瞑想法
詳細を表示
効果
うつ・不安・慢性痛に対しては薬物治療と同程度の効果がある(ジョンズ・ホプキンス大学、2015 年)
手法
- できるだけ静かな部屋を選び照明はやや暗めにして背筋を伸ばして座る
- 足は座禅の姿勢から少し崩して足同士が重ならないようにすると長時間同じ姿勢でも痺れにくい
- あるいは 10 分おきくらいに立って足のしびれを取りながらやると良い(連続でずっと座っている意味はない)
- 鼻で深呼吸をして鼻腔の縁や鼻の奥あたりに息が当たる感覚を確認してここに意識を向け続ける
- 仕事の心配や過去の嫌な記憶などのネガティブな感情が浮かんできたらそのたびにゆっくりと呼吸に意識を戻す
注意点・ポイント
- 瞑想後の測定データの結果は 絶対に 見ないようにしよう
- 心拍数や心拍変動が計測できていないことがしばしばありそれを見るとイライラしてしまったり意地を張って正確に計測できるまで無理やり続けてしまったりするので(2024 年 6 月 22 日)
- 自分との約束は絶対に守ろう
- うつや不安の対策に使う場合は 1 日 30 〜 40 分を 8 週間ほど続けると効果が得られる
- 30 〜 40 分連続で時間を取るのは難しいので合計で良い
- 1 日 5 分程度でもリラックス効果はあるので 30 分やらないと意味がないとは考えないこと
- わざと呼吸を遅くしたり無理に深い呼吸をしようとしたりしない
- 「集中しなければ!」と力むのではなくボーっと呼吸を見つけるような感覚で行う
- 鼻の奥がちょっと冷たいな
- 鼻腔がちょっとくすぐったい
- 今後の息は前より長かったな
- 「また気がそれてしまった」や「この瞑想は失敗だ」などと思わないこと
- 人間の意識はもともと一点に集中し続けることが難しいように設計されている
- これは 受容の精神 を鍛えるためのものだと認識する
- 「誰でも気がそれるものだから仕方ないよね」や「あのときの出来事は誰でもイライラするよね」のように思えば良い
- むしろ意識がそれればそれるほど脳は成長していくのでたくさんそれたほうがそのぶん成長の機会になってラッキーだと思うようにしよう
- セッションが終わるたびに感想やメモを書いても良い
- 何かを書きたくてそのせいで気がそれることがあるので
オープンモニタリング瞑想
TBD
ボディスキャン瞑想
自分の身体が発する異常のサインに気づくためのツール
詳細を表示
効果
- 身体の緊張感に気づけるようになる
- ストレスの自覚がない場合に利用する
- 細かく行うほど効果が高くなる
- 最初のうちは、眉間、アゴ、首、腕、胸、腹部、太もも、ふくらはぎ、つま先の計 9 点をスキャンする
手順
- リラックス
- 邪魔が入らない場所を横たわり、そのまま数秒だけ何もせずにリラックスする
- 頭のスキャン
- 自分の頭に意識を向け、パーツごとに「緊張していないかどうか?」をチェックしていく
- 「眉間にシワを寄せていないか?」「アゴに力が入っていないか?」「頭のてっぺんに強張りがないか?」など、細かく自分の状態をスキャンしてみる
- 上半身のスキャン
- 上半身の各パーツに意識を向けていく
- 「肩の力は抜けているか?」「腕に緊張感はないか?」「お腹に不快感はないか?」など細かくパーツをチェックする
- 下半身のスキャン
- 「太ももやふくらはぎに圧迫感はないか?」「つま先を丸めていないか?」などをスキャンする
歩行瞑想
TBD
詳細を表示
TBD
慈悲の瞑想
自分と他人の幸せを願い、思いやり、共感、慈悲を育てる瞑想法
詳細を表示
効果
- 最も短時間で大きな効果が得られる瞑想
- 自分と他人の幸せを祈りながら瞑想する
- 1 日 10 ~ 15 分間を一定期間行うと 15 ヶ月効果が持続する
手法
- リラックスして座る
- 背筋を伸ばす
- 目を閉じる
- 自分が楽しく会話した相手をイメージする
- 以下の『祈りと願いのフレーズ』を心の中で唱える(簡易版でも正式版と同等の効果がある)
祈りと願いのフレーズ
正式版
この人は心と体を持っています 私も同じです
気持ちや感情色々な考えがこの人にもあります 私も同じです
悲しんだり がっかりしたり 怒ったり 混乱したりする事があります 私も同じです
人生でメンタル的にも肉体的にも色んな苦しみを乗り越えてきています 私も同じです
人生で色んな喜びや幸せ 色んな人からの愛を経験して生きています 私も同じです
この人は幸せになりたいと願っています 私も同じです
この人が幸せでありますように
簡易版
私が幸せでありますように
私の苦しみが無くなりますように
私の願いが叶いますように
私が穏やかで過ごせますように
カスタム版
アーカイブ
アップグレード方法
- 身体のどこかに手をおく
- 深い呼吸か呼吸瞑想をしてリラックスする
- すっきりした心で以下の質問に答える
- ⚠️ もやもやしていたりや心がざわついていたりしたら先に進まない
- 質問に回答した答えを紙に書き出す
- 慈悲の瞑想に使いたい項目を 2 〜 4 つ選ぶ(最低 2 つ、理想は 4 つ)
- 選んだ項目を祈りと願いのフレーズに変える
- 例: 私が穏やかで毎日リラックスして自分の時間が取れますように、世界中どこでもできる自由な仕事に就けますように、来年こそは 2 ヶ月海外旅行に行けるような自由ができますように
- 作成したフレーズを自分に囁いてみる
- 優しい気持ち、なにかに感謝する気持ち、うるっとくる気持ちが込み上げてきたら完成
- 完成したフレーズを慈悲の瞑想として使う
質問
- 自分に本当に必要なものは何ですか?
- 例: 自由でリラックできる時間
- 「人と繋がること」「穏やかでいること」「自由でいること」の中で、自分が満たされて いない ことはどれですか?
- 自分が他の人(親友や大事な人)から聞きたい言葉(嬉しい言葉)は何ですか?
- 例: あなたのおかげで助かってるよ、そんながんばらなくていいんだよ、おつかれさま
- 今後の人生で毎日でも他人から言われたい言葉は何ですか?
- 例: 私はあなたの味方だよ、しんどいこともあるだろうけど困ったときは休んでもいいんだよ、いつもありがとう
- 自分の人生で最も達成したいことは何ですか?
参考
呼吸法トレーニング
呼吸を整えるトレーニング
詳細を表示
効果
- 呼吸を整えることによって気持ちが変わりストレス解消効果がある
- その効果は折り紙付き
- 『受容の精神』を鍛えるための『瞑想』ではないことに注意!
- 根本治療ではなくあくまで一時的なストレス解消効果しかない
- ⚠️ 十分な瞑想に加えて追加で適宜呼吸法トレーニングを行うのは良いがこれだけをやるのは避けること
呼吸法トレーニング一覧
- ブリーズチェック
- 床などの固い地面に横たわる
- 右手をお腹の上に置き、左手を胸の上に置く
- その状態で呼吸を続ける
- バルーン・ブリージング
- テニスボールぐらいの小さな風船が、自分のお腹の中に入っている様子を想像する
- 鼻から息を吸いながら、想像の風船が少しずつふくらんでいく様子をイメージすると同時に、風船がお腹を内側から押しているように想像する
- 鼻か口から息を吐きながら、風船から空気が抜けていく様子をイメージして、風船が元の状態に戻るまで息を吐き切る
- ブリーズ・カウンティング
- リラックスして座り、できるだけゆっくりと鼻から呼吸する
- 息を吐き終わったら、頭の中で「1」とカウントする
- 続いて呼吸を数えていき、「10」までカウントしたら再び「1」から数え直す
- 7-11 ブリージング
- 鼻から息を吸いながら 7 まで数える
- 鼻から息を吐きながら 11 まで数える
- イコール・ブリージング
- 静かな場所で座って肩の力を抜く
- 4 秒で息を吸う
- 4 秒で息を吐く
- 上記を 5 〜 8 セット繰り返したあと呼吸の秒数を 5, 6, 7, … と苦しくないレベルまで少しずつ伸ばしていく
- 秒数を増やすごとに「身体のどこかにこわばった部分はないか?」「皮膚やアゴは緊張していないか?」を意識しながら実践する
- ボックス・ブリージング
- 口を閉じ、鼻から 4 秒かけて息を吸う
- 4 秒間息を止める
- 4 秒かけて口から息を吐き出す
- 4 秒間息を止める
- オルタナティブ・ブリージング
- 右の鼻の穴を指で押さえる
- 左の鼻の穴から息を吸う
- 左の鼻の穴を指で押さえる
- 右の鼻の穴から息を吐く
- 左の鼻の穴を押さえたまま、右の鼻の穴から息を吸う
- 再び右の鼻の穴を指で押さえ、左の鼻の穴から息を吐く
- エクスターナル・ブリージング
- 背筋を伸ばし、あぐらをかいて座る
- 鼻から限界まで息を吸う
- 息を吐きながらアゴを引き、限界までお腹をへこませる
- そのまま 10 〜 15 秒ほど息を止める
- 再び限界まで息を吸う

